お互いの意見を聞き、結論は大人が出さない
お子さんがお友達のおもちゃを取ったり、壊したりしたとき。
まず心がけたいのは、お互いの意見は聞くけれども、大人が善悪の結論はつけないようにすることです。
「あなたが悪いのよ」
「あなたは謝りなさい」
という介入の仕方ではなくて、
「あなたはどんな気持ちだったの?」
と聞いて、それぞれに共感し、認めてあげましょう。
おもちゃを取ってしまった子の気持ちも、取られてしまった子の気持ちも認めてあげて、そこで事実を確認するために大人が介入するのです。
大人が結論を出さないことは、さまざまな状況でも基本スタンスです。
噛んだ・噛まない、ぶった・ぶってないという場合も同じです。
両方の話を受け入れてあげて、共感しながらお互いの話を聞きましょう。
なぜ、大人が結論を出さないほうがいいかというと、最初から最後まで私たち大人が見ていたわけではないからです。
ついつい泣いている子より、ぶった子のほうが悪いという判断をしがちなのですが、その前にはいろいろなプロセスがあって、もしかしたら泣いている子が先に叩いたかもしれません。
このように、子どものケンカは、何が原因だったのかわからないことが多いものです。
お互いの話を聞いて、気持ちを理解し、共感して両方の気持ちを確認するという介入の仕方を心がけましょう。
また、ケンカは学びのチャンスでもあります。
おもちゃの取り合いは、2~3歳になればよく起こります。
いわゆる
「イヤイヤ期」
には、お友達が使っているものがほしくなるものです。
これは、自分以外のお友達に興味を持っていることの表れでもあります。
親である私たちは、それをわがままととらえず、いい学びを経験していると思って、あたたかく見守ることができるといいですね。
とくにイヤイヤ期には、子どもは何回も同じことをするはずです。
でも、そのたびに
「おともだちが手に持っているおもちゃは取りません」
と声をかけ、時には
「違うもので遊ぼうか」
と提案してはどうでしょう。
声をかけるときに注意したいのは、
「おまわりさんに叱られるから」
という言い方はしないことです。
これでは、お子さんは
「おまわりさんという、こわい人に怒られるから、これはしちゃいけない」
というように理解してしまい、
「なぜ、これをしたことがいけないのか」
という本質からずれてしまいます。
そうすると、次もまた同じことを繰り返してしまうのです。
「これはしません」
という事実だけを伝えましょう。
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